第60回アジア都市建築研究会
間接統治下の王宮都市:
インド・マイソール市の都市改造について



■ 講師:池亀 彩(学術振興会特別研究員、京都大学人文科学研究所)
■ 日時:2003.06.27(金) 17:00〜19:00


写真: マイソール王宮とバザール、
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 南インド・カルナータカ州マイソール市は、かつてはマイソール藩王国の首都であった。イギリス統治下のインド亜大陸は、その面積の半分近くが大小さまざまな藩王国(princely state)によって占められていた。インドの王たちは「間接統治」(indirect rule)という名のもとに植民地支配によってその政治的力を奪われてはいたが、享受することのできた経済力を背景に古きインドの伝統を近代的技術と様式において再解釈し再創造するということを行った。都市もまたそのように再創造されたものの一つであった。

 マイソール市は、19世紀末から20世紀初頭にかけてマイソール城塞内の住居群を取り壊すとともに、城塞の外に新市街地を建設した。この際に、宗教、宗派、カースト、階級、などによって複雑に分節しまた複合したマイソール社会は新しい都市に再配置されることとなった。一方、城塞内は王室に関連した寺院と新に建設されたインド・サラセン様式の王宮のみが残る広大な空間となり、そこで国家的な儀礼などが豪華に繰り広げられることとなった。

本発表では、間接統治下において行われたマイソール市の都市改造について、その意味を植民地統治下の王権の表象の問題との関連で考察するとともに、19世紀から現在までのマイソール市の都市空間の変遷を辿りながら、インド社会と都市空間の関係を考察したい。


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